賃貸でのお部屋探しをされる方、特に若い方の殆どは新築や築浅などの築年数が比較的新しい物件を好まれる方が多い傾向にあります。
耐震強度の問題など、理由は様々ですがやはり皆さんきれいな部屋というのは心惹かれるものがあるのかもしれません。バス・トイレ別がいいけれど、その点で古い建物になってしまうぐらいなら3点ユニットでも新しいものがいいという方も。
私は不動産会社に勤務しており、お客様を現地の物件へご案内することもあります。最近は建築途中の物件に内見を行くことも増えてきましたが、ほとんど完成しているものから工事途中に土足で内見をするようなものまで様々です。そんな新築物件ならではのトラブルについて、私が体験した事例をご紹介します。
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建築途中で寸法が合わないことが判明
最近、新築アパートで多く見かけるのが、狭い部屋にロフトがある部屋。その中である新築物件はロフトのはしごを階段にし、またその階段を収納とすることで収納の少なさをカバーできるというのが魅力でした。
しかし、現地に内見に行くとまだ階段収納は設置されておらず、同じ会社が施工している同じ間取りの他のアパートを内見して確認という流れになりました。狭いながらに工夫の凝らされたお部屋だとお客さまは気に入り、お申込みということに。
しかし、数日後に管理会社の方から連絡が。なんとお部屋の幅の問題で、階段を室内に入れることができなくなってしまい、はしごに仕様を変更してしまったとのこと。
いくつも同じ間取りのシリーズが出ている物件なのにまさかそんなことが、とかなり驚かされました。お客さまも室内設備の変更に納得がいかないご様子でしたが、お家賃がその分安くなるということでそのままご契約ということになりました。
オーナーのこだわりで外装をやり直し、完成が延期
次にあった事例も思わず私が頭を抱えてしまったトラブルです。
入居開始時期が2週間後に迫った新築物件をお客さまがお申込みされました。残すは外装の細かなところと言った様子の物件で、見た目はもう完成と思えるぐらい出来上がっていました。室内ももちろんとてもキレイ、お客さまも即決され、審査も翌日には通り後は契約手続きを行い、順調に行けば2週間後に入居という流れでした。
しかし、急に管理会社より連絡が入ったのです。
聞くと、ほぼ完成間近で他の部屋にも申し込みが入っている状態で、入居が迫っているというにも関わらず、オーナーが外壁の塗装が気に入らないなどの注文が入り、工事が延長になったというお知らせでした。外壁の塗装だけであれば、入居は可能ではないかと管理会社はオーナーへと掛け合ってくれました。
ですが、こだわりが強い方であったらしく、未完成のうちは入居者を入れたくないと断られてしまいました。お客さまは今まで住んでいた部屋の退去予告もしていたため、急ぎ申し込みをキャンセルし別のお部屋にお申込みをされたのでした。
ネット無料だけどネット環境が整うのは完成してから1ヶ月後
最後にあったのが新築でインターネット使用料が無料の物件であったトラブル。
インターネットは今や欠かせないものとなっています。なのでインターネットが無料で使えるという物件はかなり人気。新築物件でもそういった物件を見かけることは多くなってきました。
しかし、ここで気をつけたいのが、ネット環境の整備と利用が一体いつからなのか。契約の段階になった時、管理会社から契約書と合わせて送られてきた書類を見て驚かされたのが、インターネット環境が建物完成から約1ヶ月後という案内でした。募集図面にはそんな案内はありませんし、申込みの際には説明もありません。
インターネットは無料なので嘘はついてはいませんが、せめて一言事前に説明ぐらい欲しいところです。お客さまはそれでも無料はありがたいとおっしゃっていましたが、ネットをすぐ使いたい人にとっては困ってしまう話です。
まとめ
新築の賃貸物件はキレイなものも多くとても魅力的です。
しかし、未完成なものは特に注意が必要なこともあります。思わぬトラブルで設備に変更が生じることもありますし、入居開始時期が指定されていても時期がずれることもあります。
また、インターネット設備が整う時期が入居時期とズレていることもあります。入居希望日がきっちり決まっている場合は、その日に入居可能かの確認、設備も変更予定が無いか、もし変更になるとして自分の許容範囲内かの確認をすべきです。
理想は完成してから即入居の状態で内見することですが、新築は人気なのですぐに申し込みが入ってしまい完成前に全部屋埋まることも多々あります。どうしても新築がいい場合は自分の現在の状況、急いで引っ越しする必要があるのか、ないのかなども考慮してみてくださいね。
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