不動産業界に興味を持っている人にとって、今後の動向は気になるところではないでしょうか?
現在は上向き基調といわれることが多いですが、この先はどうなっていくと予想されるのか、今回は不動産業界の現状とともに、考えられる今後の動向についてご紹介します。
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不動産業界の現状|アナログ時代の終焉とIT化推進の波
実は中小規模の不動産会社の場合、いまだにアナログな方法で物件の管理が行われていたりします。
例えばお客様から物件の問い合わせがあった場合、FAXで物件情報をやり取りするなどです。今の若者世代や30代・40代はファックスはほとんど使いません。
また失礼かも知れませんが、エクセル・ワード・パワポ等のソフトを使えない不動産業者さんもいたりもします。
よく商店街の一角にある小さな不動産屋さんで、高齢者の社長さんが2人程度で経営を切り盛りし、お客さんもいないのによく潰れないなと感心する事もありますが、昔ながらのアナログのやり方でも生き残っている状況でもあります。管理・仲介の収入源が確保されていたりもしますが、今後は賃貸・売買もネットが主たる情報源となり、選別されていくものでしょう。
今後は中小規模の不動産業者もネットの普及と伴に競争の波に飲まれ、WEB集客に力を入れる企業が生き残っていくのではないかと考えられます。
不動産業界の動向1|東京オリンピックまでは都心部や湾岸エリアを中心に再開発が進行
不動産業界は一時期、リーマンショックによるマンション価格の下落や空き室率の上昇など低迷の時期がありました。
しかし都心部を中心にオリンピック開催による湾岸エリアの開発は活況を呈しています。
〇有明地区「有明アリーナ、有明体操競技場、・巨大複合施設(ホテル・商業施設・イベントホール)」
〇豊洲地区「豊洲ベイサイドクロス(オフィス・商業施設・ホテル)、清水建設オフィス・ホテル計画、タワーマンションの都市計画(住宅・店舗・保育所等)」
〇晴海エリア「タワーマンション群(パークタワー晴海、ベイサイドタワー晴海、オリンピック選手村(晴海フラッグ・24棟5632戸・人口約12.000人規模)」
湾岸エリアを中心に再開発や増税前の駆け込み需要などにより活発な取引も行われている状況です。東京都心では、今後もオリンピックまでオフィスビルの建設ラッシュが続いています。
また、大手不動産会社ではヨーロッパやアメリカ、アジアなど海外での開発を進めていく経営計画予定も出しています。オリンピック後を見据え、それぞれ海外へ活路を見出そうとしていることがうかがえます。特に人口が今後増加すると見込まれる国や、経済成長が期待できる国での活動が活発になるのではないでしょうか。
巷では、オリンピック関連の建設需要に対して、建築費の高騰や職人不足が進行して、アパート建築業界ではコストアップが強いられている状況でもあります。
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不動産業界の動向2|仲介業者から管理業者へ
今後AIの発達により、仲介業者は必要ない時代へ突入していくかもしれません。
ネットの普及で情報格差が無くなってきているのです。
お客様自身がネット上で物件を探し、エイブルやアパマンショップ・ハウスコムの様な仲介を介さず、管理会社へ直接案内してもらうよう依頼することが増える可能性があるからです。
お客と仲介が介さず、ネット上で全て完結する時代になる可能性もあります。
今まで仲介業者の役割は「お部屋探しをお手伝いすること」でした。ですが、お客様自身が自分で自由に部屋を探せるようになれば、仲介業者は部屋の案内をする、単なる「鍵を開ける人」の役割しか残らなくなるでしょう。そうなれば、仲介を行う不動産会社の場合、仲介手数料だけで業績を伸ばすことが難しくなってくると考えられます。
すでに、不動産会社の中には昨今問題になった害虫駆除や火災保険の紹介による手数料など、さまざまな商品に手を出すことで業績を維持しているケースもあります。あるいは、仲介手数料を借主無料にすることで顧客獲得に結び付ける業者もあります。ですが、そもそも仲介自体が不要になれば顧客獲得自体も難しくなっていくでしょう。
さらに今後、部屋を貸す家主側も、仲介業者ではなく客付け力に特化した管理会社に、物件の紹介を一任するようになる可能性があります。そうなれば、管理会社が仲介も担い、一元化する時代が訪れることになるでしょう。
現在仲介を中心に業務を行っている不動産業者が業界内で生き残るには、仲介だけでなく管理も合わせて行うこと、そしてなるべく多くの管理を任せてもらえるかがカギになってくるのではないかと考えられます。お客様にとって必要なのが、仲介業者ではなく管理会社になれば、より多くの大家さんから管理を任されている不動産会社のほうが、伸びしろがあると考えられるからです。
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不動産業界の動向3|人口減少に対応したスタイルへ
日本は今後ますます人口減少が進むことが決定しています。
人口減少は不動産業界にも大きな影響を与えるでしょう。人口が減少するということは、同時に世帯数も減少すると考えられるからです。
世帯数の減少により、現在人気のあるファミリー向けや学生向け物件は売れづらくなり、反対に単身者世帯や高齢者世帯に特化した物件需要が増えると見込まれます。
それに伴い、セキュリティやバリアフリーなどの工夫も求められるようになるでしょう。また、今まで以上に顧客と長く付き合える関係の構築、入居後の生活までトータルでフォローするなどの工夫も求められると考えられます。消費者のニーズは今よりさらに細かく、多様化することになるでしょう。
特に中小規模の不動産会社にとっては、資本面での体力が大手に比べ弱い分、社会の変化に合わせ、柔軟な対応が必要になるでしょう。大手が進出しづらい地域や地元に密着し、ニーズに合わせて柔軟に対応できる会社であれば、小規模であっても生き残れる可能性は高いと考えられます。
まとめ
現在は比較的好調といわれる不動産業界ですが、今後の動向としては人口減少に備え、柔軟な対応が求められると考えられます。
高齢化により、単身世帯や高齢者世帯の増加が見込まれ、顧客のニーズはさらに今よりさらに細分化、多様化すると考えられるからです。大手不動産の場合は、国内市場の減縮を見越し、今後不動産市場が活発化するであろう海外に拠点を置くケースも見られます。
大手不動産に比べ、中小規模の不動産会社の場合は厳しい環境に置かれる可能性もあります。特に中小企業の場合、まだまだアナログの方法が残っていることもあります。IT化はもちろん、仲介業務だけでなく管理業務も手掛けるなど、新たなビジネスモデルの構築も必要になってくるでしょう。
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