銀行員もリストラ対象?硬い職業の代名詞、金融業界の実情

近年、金融業界の仕事に大きな変化が訪れようとしています。就職活動をしている新卒者は、現在売り手市場と呼ばれていますが、テレビニュースや新聞を見ると「銀行員もリストラの危機」を迎えていたりもします。

 

硬い職業と言われている銀行員ですが、「JALやシャープ、ソニー」等の一流企業でさえ人員整理をしていたりもします。リストラはサラリーマンにとって身近なもの。そして現在金融業界で起きている実情をお伝えします。

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メガバンクからの驚愕の報道-大幅な人員削減が目の前に

昨年末、三大メガバンクと呼ばれているみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、そして三井住友銀行が所属する各フィナンシャルグループが業務量削減を検討、削減対象は人件費にも及ぶと言われています。

 

特にみずほフィナンシャルグループでは2027年までに、現グループ総員数約8万人弱の4分の1にあたる1万9000人の人員を削減するという広報がなされました。 2027年といえば、現時点で入社したとしても10年にも満たない時期に、リストラの対象候補となる可能性が出てくることになります。

 

毎年大量の採用を実施し、就職ランキングでは常に上位を占めている、いわゆる「保身的で硬い職業として有名」な銀行員ですが、なぜ今回のような事態となったのでしょうか。背景には、超低金利が起因となる銀行の収益悪化、そしてAIやブロックチェーンなどの先端技術の利活用に伴う業務効率化の推進が考えられます。

 

メガバンクの業務純益が減少傾向に

現在のメガバンクがどの程度の収益を上げているかを確認する方法として金融庁が毎年発表する金融レポートがあります。

 

メガバンクというと、安定的に高水準の業務純益を獲得しているように感じられるかもしれませんが、2017年10月に出された金融レポートでは、メガバンクは貸し出し利鞘が縮小したことで収益が悪化、外貨調達のコストも上昇するなどと分が悪い状態が続いています。

 

メガバンクの収益の幹となる資金貸付が大幅に悪化した原因は、単なる景気による融資先の減少だけではありません。大手企業の業績自体の経営は好調だったりするのですが、不景気時代の教訓もあり設備投資を控え資金を内部保留していたりします。またわざわざ高い利率で大手銀行から資金を融資してもらわなくても、資金調達が可能になったという「資金調達の多様化」が背景にあるとも言えます。

 

ブロックチェーン技術の進歩とAIの活用

現在低迷を続けている金融業界では、従来のような伝統的な貸付や「投資信託や貯蓄性保険の金融商品」等の手数料だけで、利益を取得することが難しくなっています。そこでメガバンクがこぞって注力しているのが人工知能(AI )やブロックチェーンとよばれる金融技術の利活用です。

 

昨今話題になったビットコインは相手先への送金を手数料が無料、もしくは格安で実施することができます。このビットコインも、実はブロックチェーンによって構成されているんです。こうなってくると、今までは高い手数料を払ってもらって、送金サービスを独占してきた銀行も新たな手を打つ必要が出てきてしまうのもうなずけますね。

 

また、銀行のコールセンターではすでにIBM社が開発した人工知能「Watson」を活用し、顧客対応を学習させることでコールセンターの対応時間を劇的に減少させたという実例があります。金融業界というと、なかなか画期的技術を導入しにくい印象があるかと思われていますが、上記事例を見るに、すでに金融業界の革新は始まっていると言えます。

 

まとめ|いつまでも銀行員は「安定的な職」ではない

銀行員というと、「絶対に潰れない」だとか「国が守ってくれる」などといったイメージを持っていらっしゃる方も多いと思います。しかし、銀行はあくまで「会社」であり、他の業界と同じく競争をしていかなければ倒産してしまう可能性も無くはありません。

 

そのような競争の中、少しでも業務効率化を促進し、無駄な経費を削っていかなければいけないという各メガバンクの広報も当然の流れと言えます。今後就職活動をされる場合は、「銀行員は硬い職業だ」と安易なイメージに流されず、今後の金融業界はどうなるのか、自身はどうしていきたいのかしっかりと考えることが重要となりそうですね。

 

また、現在金融業界で働いている現役の方も、決して自身がリストラされないと慢心せず、資産形成を会社に頼らずリスク分散を検討してみることも良いかもしれません。

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