不動産業者のスタッフ様から、「土地の値引き交渉を迫る強気の営業マン」の体験談を紹介いたします。
不動産会社なので、賃貸物件の仲介だけではなく土地売買の仲介もやっています。分譲地として売主側になることもあれば、他社の土地を仲介することもあります。
場所や金額によっては売り出してからすぐに完売となることもありますが、残念ながら残ってしまう土地もあります。そういう場合には、価格を安く提示することもありますが思ったほど安くならないというのも現状です。
ところが、お客様の中にはこちらの足元を見る方もおりまして、ストレートに「売り出してから年月が経っていますよね?」と言ってくる場合もあるのです。今回は、その売れ残ってしまった土地の売買についてのお話しです。
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土地探しのハウスメーカーの営業マン現る
売り出した土地についてのお問い合わせは一般の方ばかりではありません。同業者や住宅メーカーの営業からの電話も入ります。土地の資料だけを欲しがる営業もいれば、実際に土地を見させてほしいという営業もいます。
土地の資料だけをFAXで欲しいという営業とは、「契約には結びつかない場合がほとんど」ですので、こちらも期待はしません。逆に土地を見させてほしいという場合には、「脈あり」と感じます。
これは、既にその住宅メーカーで建てる意思が80%以上、後は土地プラス建物代金がお客様の予算に合えばGOサインが出ることが予想されるからなのです。今回の住宅メーカーの営業は後者のタイプだったのですが、何とも強気な方でした。
土地を気に入ったのは営業マン!?
住宅を建てる際に、土地プラス建物で2500万円から3000万円ぐらいを考えているかと思います。
数ある住宅メーカーの中から建築依頼先を選びさらに土地も探すとなると大変です。そのため、住宅メーカーも土地のないお客様には土地を紹介することで契約に結びつけようと考えるわけです。
さて、住宅メーカーの営業としては、予算に合った土地を探さなければなりません。土地の広さや通勤通学までの便利さ等を考慮しながら不動産会社巡りです。通常はお客様の要望に近い土地を紹介するのですが、今回の営業は「真逆」。
つまり、お客様の要望云々よりも「土地の値段を優先」し、「この土地しかありません。他にはない物件だし、予算にあった住宅ができます」と契約に持っていく予定で、話しを進めてきたのです。
簡単に土地の値引き交渉には応じない
こちらも長く不動産業を営んでいますから、「土地代金を安くできないか」という営業の思惑などすぐにわかります。
たとえ建物建築の契約が済んでいたとしても「それなら少し安くしましょう」とは言いません。こちらも商売ですから、簡単に安くするなどしないものです。土地代金を安くしたいという申し出の場合には、まずはお客様の予算を疑います。予算がないにも関わらず住宅を建てるというのは不安でしかありません。銀行ローンも通るかどうかも分かりません。
また、その住宅メーカーで建てるのかどうかを確認します。後々「すみません、契約にならなくて」ということもありますから、こちらも慎重になるというわけです。今回の営業は「土地が決まれば契約して頂けることになっています」とのこと。そこで「商談中として土地を押さえておきます。1週間待ちます。」として話しは終わりました。
ウチも泣くからそちらも泣いて下さい!?
1週間が過ぎても連絡はありません。普通は、何等かの連絡を入れてくるものですが、こちらもそのままにしておいたところ、その土地について問い合わせが数件入りました。
それを知ってか知らずか営業から「もう1週間押さえて欲しい」。またしても連絡はなし。ところがその営業が契約書を持ってきて土地が残っているかどうかの確認に来ました。
売れていないことを知ると、「失礼ですが、売り出してからだいぶ期間が長いし、売れ残っているということですよね?安くしてもらえませんか?そちらも残すよりはいいでしょう?」
「土地が残るかどうかは、そちらに関係ない。押さえて欲しいと言いながら何の連絡もなしに、安くしてくれとは、随分と勝手な物言いだね」
話しを進めていくと、「実は、住宅建築で○○○万円、値引きして契約しました。ウチも泣くのですからそちらも泣いてほしい・・・」との一方的な言い分が始まりました。
結局値引に応じた!?でもその住宅メーカーお断り
正直言いますと、粗利を計算したうえでの値引きとなるのでこちらが「泣く」ことはありません。営業としては、「土地を安くさせた」と思っているでしょうが甘い!
今回は値引きしたということにしましたが、条件付きでした。今後のお付き合いもないわけではないが、値引き交渉はしない。今後については値引きしないとやんわりとお断りをしたというわけです。
強気の営業も時には必要ですが、会社あっての自分だということを頭に入れておかないと後々大変になります。余談ですが、その住宅メーカーはいつの間にか不動産市場から撤退していきました。
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