長野県在住の不動産会社で勤務している40代(T)様より、アパート経営で家賃滞納で苦しんでいる大家さんの失敗談の紹介です。
アパートや戸建て貸家などの賃貸物件を所有している大家さんの心配事は、住居者同士の諍いやゴミ出しのマナートラブル、騒音トラブル、家賃滞納など様々です。
話し合いで解決できるトラブルもあれば法的な解決法を取るしかない場合もあります。
今回は、家賃滞納が元で大家さんと不動産会社の関係が悪化し家賃滞納者が夜逃げしてしまったという最悪の状態になってしまった体験談をお伝えしながらトラブル回避について伝授します。
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大家さんの悲痛な叫びから始まった最悪の家賃滞納
大家さんの家族(大家さん宅のお嫁さん)から「家賃滞納を何とかしてほしい。上手いことを言って約束通りの金額を振り込んでくれない」との電話が入りました。
家賃滞納額は50万円弱。
ここまでの金額になる前に対処すれば良かったのにと思いながらも話しを聞いていると、入金はあるものの月額家賃すら払えなく、滞納家賃が積もり積もっているとのこと。
家賃滞納の経緯は、アパートの大家さんは義母であり、高齢に伴い家賃の入金管理もおろそかの様な状況で、義母の介護費を家賃収入でアテにしていたら、未入金であることに気付き家賃滞納が発覚した模様です。
直接、借主(滞納者)とやり取りをしたものの、どうにもならずに私共の不動産会社に助けを求めてきたようです。
家賃滞納者の言い訳は、「うちも介護が必要になり職を失ったから払えない」というもの。
契約者は現在70才を超えた老人で一人暮らしです。
電話口に出て話をしたのは契約者の息子さんですが、父親の連帯保証人になっているのですから、家賃滞納分の支払いを求めても何の問題もありません。
滞納者の連帯保証人である息子の言い分
家賃滞納について大家さんから直接電話があってビックリしました。
普通は、不動産会社からですよね?まあいいですけど。
父親が認知症で足も悪く介護認定待ちであること。
いずれにしろ介護が必要になり、自分は面倒を見るために仕事を失ってしまった。
収入が途絶えてしまって払える状況ではない。
支払っていないわけではないよね。
など、一方的に自分の自己主張をしています。
これでは大家さんが納得するはずもなく、大家さんと滞納者の間に入り、大家さんと借主の伝言を数回やりとりしました。
また大家さんへは、家賃取り立てに出向くなどの行動はできない旨を伝えると、大家さんから不満の声とともに他の不動産会社へ頼む連絡を受け、以降は連絡が途絶えてしまいました。
その後、なんと借主は家賃を約50万円以上滞納したまま、夜逃げしてしまったのです。
賃貸契約を仲介する不動産会社とコミュニケーションを密にする
ほとんどの大家さんは、不動産会社を通して賃貸契約を結びます。
賃借人と直接会って契約することはありません。
そのため、どういう人が自分の物件を借りようとしているのかについては不動産会社の情報だけとなります。
「昔から知っている不動産会社だし、地元だから心配ない」
「賃貸契約の仲介をしたのだから何かあってもお任せしている」
こんな風に思っている大家さんは、注意した方が良いでしょう。
もし、何等かのトラブルが起こったときに、大家さん自身が対処できるのならば良いのですが、いざという時に何も手助けをしてくれなかったとういうことにもなりかねません。
普段から不動産会社やその担当者とはコミュニケーションを取っておくことをおすすめします。
そうすることで、相談もしやすく良き知恵を借りることができるのです。
賃貸契約に関する条件「年収や年齢制限、ペット不可能、二人入居不可」など、を伝えておくだけでもトラブルを回避できるものです。
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家賃滞納は避けられないことは覚悟しておくこと
ほとんどの賃貸物件は、翌月分家賃を前月末に払うようになっています。
未入金や残高不足で家賃が遅れることもありますが、いずれにしろ家賃滞納は避けて通れないことを肝に銘じておくことです。
大家さんにとって家賃収入が滞ることは、生活をしていく上で良い状況ではありません。
このケースのように何等かの資金としてアテにしていた場合にはなおさらです。
その上で、家賃滞納が発生した場合の対処法を考えておくべきなのです。
家賃滞納が続く場合に考えるべきこと
家賃滞納があったら「不動産会社に連絡すれば、取り立ててくれるでしょ?」と思っている大家さんもいるかと思いますが、本当にそうでしょうか?
私の経験から言わせてもらうと、その考え方は「甘い!」です。
不動産会社は借主に滞納連絡をするだけで、直接取り立てることはありません。
ある大家さんは、ご自分の経験から家賃滞納を1度でもしたら、退去してもらうことを契約書に明記しており、家賃滞納をさせない対処を取っていたりもします。
実際には、大家さんに連絡をすれば退去させることはなかったのですが、このように毅然とした意思表示と明確な態度も必要です。
つまり、大家さん自身で家賃滞納の対処をしなければならないとうことなのです。
不動産会社との契約内容をもう一度確認すること
大家さんの多くは、管理費を払う事により、設備トラブル・入居者トラブル・家賃滞納などの様々な問題を、対処してもらえると信じています。
管理会社の委託業務の内容と、どこまで踏み込んで対応するのかも注意が必要です。
また賃貸物件の仲介依頼だけの場合には、トラブルの相談はできても最後まで処理してくれるとは限りません。
あくまでも「仲介」という立場だからです。
今一度不動産会社との契約内容を確認しておくことです。
管理契約を結ぶことができるのか、できない場合には保証会社を紹介してもらえるのか等についても知っておくべきです。
トラブルにならないために
今回のケースでは、家賃滞納について大家さんが直接借主と連絡を取っておきながら、どうにもならなくなって不動産会社に頼ってきたこともトラブルを大きくした原因の一つです。
途中から不動産会社に投げ出すような行動は、頼まれた不動産会社もあまり気分の良いものではありません。
不動産会社が全く動かない訳ではありませんが、ある程度の礼儀は必要でしょう。
ましてや管理契約を結んでいない場合にはなおさらです。
また、思い通り動いてもらえないからと不動産会社を変えたところで何の解決にもなりません。
実際にこのケースでは依頼された別の不動産会社も手を引いてしまったので、借主に夜逃げされるという最悪の結果を招いています。
不動産会社とのコミュニケーションを取り、何でも相談できる良好な関係を借主とも取っておくことが、トラブル回避につながるのです。
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