アパート経営は失敗する!?賃貸物件の供給過剰と空室増による社会問題と破綻者予備軍の潜在化

金融機関の不動産に対する融資貸付は、バブル期の10兆4000億円を超え、2016年12兆2000億円と過去最高になりました。巷では、アパートやマンションに対する融資情勢が旺盛なことにより、サラリーマン大家さんが急増し不動産投資ブームが到来したのです。

 

投資用のアパートやマンションを現地確認に行けば、普通の会社員の方と思われる不動産投資家に、ばったり出会うこともあります。また相続対策名目の新築アパート建築が急増し、賃貸物件が供給過剰となり、需給バランスが崩れる状況となってしまいました。新築アパートでも空室が埋まらないという異常事態、需給バランスが崩れたアパート建築が止まらない社会問題が起きています。

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賃貸物件の供給過多!新築アパート建築が止まらない

新築アパートであれば「直ぐに満室になる」という話は、過去の時代のものとなりました。真新しいアパートでも、数部屋の空室があるのは当たり前の様な、異常な状況でもあります。

 

裏を返せば、ハウスメーカーが見積もりを立てた「満室想定の長期収支計画は意味がない」事に気付くでしょう。そもそも非常に甘い収支計画であることと、赤の他人が作成した計画ほど危険なものはありません。

 

誰も責任は取らない、他人に身を委ねて1億近い借金をするのですから慎重な判断が必要不可欠です。良く精査して検証してみれば、いかに業者都合の計画だったのか、甘い誘惑が潜んだ絵にかいた餅だったということが分かります。

 

これほどまでに新築アパート建築が止まらない状況の原因が、平成27年1月1日以後の相続税の税制改正によるもの

改正前
5,000万円 + (1,000万円 + 法定相続人の数)

改正後
3,000万円 + (600万円 + 法定相続人の数)

一気に相続税の課税対象範囲が拡大され、小金持ちの富裕層にも多額の税金を納める見込みとなりました。取れるところから何でも税金を取ろうとする税収アップを図ったり・年金受給開始時期の延長(原則65歳からですが、予想は70歳以上になる)の可能性など、国策として負担を強いられるばかりです。

 

日本全国に渡って大手ハウスメーカーが大躍進し、地主に対して相続対策の大義名分という理由で、土地の有効活用や資産運用名目で「新築アパート建築」の受注を獲得しています。

 

新築アパート建築が止まらない光景は、「ご近所を見てみればおわかりでしょう」、さながら竹の子が生えるような異様な姿に写るばかりです。「既に空室が目立つアパートが周辺にあるにも関わらず、次から次へと新築アパートを建築している光景、、、、、唖然としてしまいます。

 

ハウスメーカーのアパート建築の受注高は、相続対策と金融機関の融資拡大で急上昇し、業績は絶好調・売り上げはうなぎ上りです。しかし、何時までもアパートローンの融資が緩い状況が続くことは絶対にありません。金融庁の通達や指導、金融機関の方針転換による融資引き締めなどで、激増するアパート建築に若干歯止めが掛かると思われます。

 

新築アパート建築の勢いが止まったとしても、賃貸物件は既に供給過剰で貸し手のいないアパートで溢れかえり、末期症状の状態なのか致命傷なのかどうかは、見守るだけでなすすべがありません。賃貸経営は、場合によっては「神頼み・運的要素もある」といえるでしょう。

 

周囲に賃貸物件が建築されない事を祈るばかり、ライバル物件が増えれば一気に入居付けが悪くなり、入居者さんの奪い合い・ガチバトルが始まります。実際の大家さんでないと、アパマン物件が激増したことにより「入居付けが思うようにいかなくなった」事を肌で実感できません。

 

ハウスメーカーは、賃貸物件の空室率が急上昇しが悪化したとしても、アパートを建築することこそが至上命題ですので営業攻勢は止まりません。そして融資が引き締めになったとしても、富裕層や地主等のお金持ちに対しては、銀行は融資を積極的に行いますので、アパート建築が止まることもありません。

 

担保の取れる地主さんに対しては、別格扱いですから。

【アパート経営は危険!】不動産投資ブームの裏側で潜在化する破綻間近の不動産投資家の実態

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30年長期家賃保証・サブリースは危険だらけ?アパート経営の厳しい現実

人口が減り続けているのにも関わらず、斬新で洗練された真新しいアパートが次々と建築され続けています。地方郊外の田んぼや畑の周辺にアパートが建築されている光景は、賃貸経営が成り立つのか心配をせずにはいられません。

 

「えっーこんな場所にアパート建てて、入居者なんているの?」、なんともやるせない気持ちになります。地方の郊外都市では、空室が散見されるハウスメーカーのアパートをよく見かけることでしょう。そしてハウスメーカーの営業マンは、賃貸経営の事を何も知らないおじいちゃん・おばあちゃんに、危険が潜む30年一括家賃保証などのサブリース契約を獲得するのです。

 

家賃保証会社のサブリース(一括借上げ)自体に疑問を持つべき!

新築アパートにサブリース契約を付帯する事自体そもそもいらないのです。

 

新築なのですから不動産屋さんに入居さんを紹介してもらえば、普通は黙っていても入居者は容易に付きます。日本人ははっきり言って新築が大好きです。新築アパマンほど、強みのある競争力のある賃貸物件はありません。

 

新築賃貸物件で入居を決められないと言う事は、「そこに人が生活ができる様な環境ではないこと」、賃貸需要がないということです。ハウスメーカーから勧められる、アパート建築計画自体が最初から間違っているのです。業者さんに搾取されている事を理解しなければなりません。

家賃保証の落とし穴「実際は2年ごとの見直しと減額」

家賃収入は超好立地などの特殊な要因がない限り、必ず徐々に下落します。

 

建築メーカーが作成した甘い収支計画は、契約促進のため家賃が高く設定されていたり、空室率を軽視していますので、現実の収支とずれていたりします。

 

割高な大規模修繕・メンテナンス工事の縛り

ハウスメーカーに任せれば「大丈夫・安心だ」という根拠はありません。

 

結局、右から左に外壁塗装などを下請けに丸投げし、利益を上乗せするだけですので当然割高です。

 

割高で済めばましかも知れませんが、ぼったくり価格で強制的に工事させられることもありますので、契約したら後の祭りです。

 

納得出来なかったらサブリース解約!

地主・アパートオーナーは、儲からないシステムを理解しなければなりません。「サブリース契約は、大家さんが安心して賃貸経営が出来るシステムではないこと」

 

30年一括借上げシステムは、不動産業者が儲かる仕組み!

アパート経営は破綻する!?アパートローン融資拡大が膨張し続ける厳しい賃貸経営の現実!

 

自分の親族や友人等に対して、このような賃貸経営ビジネスを積極的に勧めることができるでしょうか?賃貸需要が見込めそうもない地域。厳しい会社に身を置いてノルマ達成に必死なのでしょう。地主大家さんのアパートが近いうちに空室だらけになり、金銭的負担と精神的負担を強いられ、不幸になることが目に見えています。賃貸需要を何も考えない・説明不足ではトラブルになるばかりです。

 

実家の近所のおばあちゃんが、大手ハウスメーカーでアパートを建築し、空室が埋まらないために「誰か住む人いないかねー」と相談されたのは、心痛むところがありました。お年寄りは世の中の流れや社会情勢に疎く、正常な判断に掛けます。TVCMで大々的に広告を出し有名な「大手ハウスメーカーだから安心」、「みんながやっているから大丈夫」だろうという根拠のない理由で、売買契約に判を押してしまいます。

 

賃貸物件の供給過剰と止まぬアパート建築、左うちわであぐらをかいて楽に賃貸経営が出来るほど、今のアパート・マンション経営は甘くはありません

 

それでもハウスメーカーで建築を考えているのであれば、

1 「儲かるのですから大丈夫!」ハウスメーカーの営業マンとその支店長を連帯保証人すること

2 2年ごとの家賃見直しはなし、家賃賃料の変更はなし

3 サブリースメーカーに解約されないように、30年定期借家契約にする

 

この条件であれば、家賃収入が確定されていますので、サブリース会社が倒産しない限りまず失敗はありません。後はサブリースメーカーが倒産しない事を祈るばかりです。

 

結局は、家賃保証という甘い誘惑に「保証というものはどこにも存在しない。」現行の一括借上げシステムは、大家さんだけがリスクを負うもので、業者さんにリスクはありません。このシステムを理解しなければなりません。

 

今後の不動産投資は東京オリンピック前後に、不動産投資加熱は頂点を迎え、その後は物件価格は下がっていくものと感じます。不動産投資ブームもいつまでも続かず、リーマンショック級の問題が発生すれば、前回同様金融機関の融資は一層厳しくなり、物件価格は大幅に下がります

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アパート経営の破綻者予備軍は潜在化している

サブリースの甘い誘惑!人口減少なのになぜアパート建築が止まらない!?

 

東京オリンピック前が、アパマン物件の最高値で割高な価格で売買されるものと感じます。株式相場と同じで、絶対にいつまでも不動産バブルは続きません。
※不動産価格は「2016~2017年が最高値」、「2018年融資引き締め

 

「歴史は繰り返えします」

 

そして日本史上類を見ない、超低金利の時代は終わり、遅かれ早かれ絶対に金利が上昇してきます。

 

現在は相続対策でアパートマンション経営が持てはやされていますが、供給過剰の賃貸物件がどうなるかといえば、限られた入居者さんを奪い合う争奪戦が繰り広げられ、満室経営でも利益率の低い厳しい賃貸経営環境にさらされます。

 

その厳しい賃貸経営環境にさらされた時、元本返済はもちろんの事、金利上昇に伴う負担分や税金、その他の維持費(管理費、修繕費、リフォーム代等)等や入居者獲得や空室対策に悩まされます。

 

全員が全員アパート経営が上手くいくことは絶対にありません。

 

「勝ち組と負け組の二極化」が進みます。

 

その時不動産投資家さんや地主さんは、どちらサイドにいることでしょうか。今現在でさえ新築アパートが満室にすることさえ出来ない状況下で、どうやって安定した運営ができるのか。アパートローン破綻者や空き家問題がますます加速するのは、目に見えてわかりますし、社会問題が顕著化してきます。

 

そして相続対策として始めたアパート経営を、社会から遠のいている年老いたおじいちゃんやおばあちゃんが、維持・運営・管理することが出来ますでしょうか。何よりそこまで大きな借金をしてまで、やらなければならない状況なのでしょうか?

 

何億も持っている資産家でない限り、精神的安定を考えたら素直に税金を納めた方が無難だと感じます。年老いた身に莫大な借金を背負わすのは、酷と言うもの。

 

相続対策で初めたアパートオーナーは、何もしないで管理会社へ任せる方が大半です。最終的リスクを負うのは、サブリース会社でもなく大家さん自身だと言う事をよく理解しなければなりません。業者を儲けさせるだけの「何のためのアパート経営だったのか」という事にも繋がりかねません。

 

賃貸経営は立派な事業という認識のもと、何千万・億単位という融資を受ける心構えが必要です。不動産投資の現実「アパート経営から撤退し賃貸物件を売却!?空室問題が潜在化する賃貸経営から身を引く賢明な不動産投資家さん」大切です。

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