入居者の家賃滞納問題!不動産業者の業務は家賃回収だけでなく人生相談もある

不動産会社の業務は、土地・建物・賃貸物件の仲介・・・・など。皆さんは不動産会社の仕事についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

 

「アパートを案内して契約をして終わり?」「土地を売るだけで手数料が入っていいよねぇ」「トラブル処理が大変そう」こんな声が聞こえてきそうです。その通り!と言いたいところですが、実は人生相談を受けることもあるのです。今回は、そんな不動産会社の裏話をします。

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自社物件で家賃滞納発生

自社物件というよりは、社長の親戚が持っている物件で家賃滞納が発生しました。2か月以上の滞納です。

 

家賃滞納が始まりますと最初に電話連絡を入れます。そうすることで直接不動産会社に家賃を持参させることができるからなのです。

 

電話連絡を入れても家賃を入れてもらえない場合には、手紙を出します。いわゆる呼び出し状です。今回は、この呼び出し状から滞納者の人生相談を受けることになってしまった社長のお話しです。

 

呼び出し1回目

滞納者は20代の女性です。カウンターの向かいに座ったその彼女は今時の若者という感じではなく細身でおとなしい女性です。ほとんどの滞納者と同じように滞納家賃分全額を持ってきていません。そしてこれもまた同じく「今月は苦しくて・・・・」「それで少しずつ・・・」

 

こちらも滞納者の対応は慣れていますので、言い訳は聞きません。こういう場合は、毅然とした態度で臨み「家賃滞納支払計画書」をその場で記入押印させ提出させます。彼女にもこの計画書を提出させ呼び出しは終了しました。

 

 

呼び出し2回目 人生相談の始まり

家賃滞納支払計画書の効き目は、「無に等しい。」これが現状です。思った通り支払は進みません。

 

呼び出し2回目です。2回目になると、こちらも容赦しません。彼女の言い訳を聞くだけ聞いて「それで?」。自分の口からはっきりと、これからのことを説明させるのです。

 

そこへやり取りを聞いていた社長がカウンターに座り、彼女のこれまでの家賃滞納の経緯を聞き始めました。ここから彼女の家賃滞納ストーリーが語られ人生相談となったのです。

 

頼れる親はいない、耳が聴こえなくなり手術を・・・

社長は70代後半ですが、話しがわからない人ではありません。情がある世代ですから家賃滞納にもそれなりの理由があることを承知しています。

 

「あんまり滞納していると、保証人に連絡するようになるんだけど?」「それが・・・」

 

実は彼女の保証人は当時付き合っていた彼氏。ところが、その彼氏とも別れたために連絡をされたら困るとのこと。アパートに彼が転がり込んできたものの家賃は彼女が払うという生活だったようです。

 

「それじゃぁ困るねぇ。親はいるでしょ?」聞けば両親は離婚し、母親や姉妹とも連絡を取っていないとのこと。複雑な家庭環境で育ち高校卒業後は家を出て独り暮らしを始め、幸せを求めた彼とも別れてしまった。仕事も派遣で時給もあまりよくない。派遣だから更新させてもらえるかどうかも不明。

 

精神面から耳が聴こえなくなり手術をしなければならないがその手術代もないので聴こえないままでいる・・・・。食事は1日1食で節約しているが家賃滞納分を払えそうにない・・・・。

 

社長の言った言葉「まずはしっかり食事をしなさい!」

ここまで話しを聞いた社長の最初の言葉です。「20代の若者が1日1食なんて信じられない」これが社長の感想です。家賃云々ではありません。まずはしっかりと食事することを勧めました。家賃が払えないということは光熱費も滞納しているはずです。

 

そこで、給料を聞き家賃以外の支払計画を立てました。次に、母親と連絡を取ること。長年連絡を取っていなくとも、子供のことは心配しているはずです。当初、連絡をとることを拒んでいましたが「連絡してみます」。

 

耳の手術についても、「病院に相談しなさい。支払も一度で支払わなくても良い方法があるはずだ」1週間後、もう一度来ることを約束し、呼び出しは終了しました。

 

社長さんに聞いてもらってよかった

1週間後、約束通り彼女はやってきました。きちんと食事を取っているようで少しふっくらとした感じです。

 

開口一番に「母親と連絡が取れました」実は、どこに住んでいるのかわからない状況だったのですが、以外なことに近くに住んでいたのです。耳の手術のことも話し、無事に手術を済ませたようです。心配していた手術代も病院に相談したところ、少しずつ支払うことができ、安心したとのこと。

 

彼女は当初、家賃滞納をしている上に計画書通りに支払も出来ず「怒鳴られるのではないか」と思っていたそうです。ところが、怒られるどころか自分の体の心配や母親との連絡を取るように勧めてくれ驚くとともに、ホッとしたとのこと。「誰かに聞いてほしかった。でも、頼れる人もいなくて。お父さんのような感じで嬉しかった」

 

人生相談も受けます

不動産会社では、様々な人が出入りしています。同業者はもちろん司法書士、行政書士、弁護士、銀行員等から色々な情報を得ています。

 

そのため、問題が生じてもあらゆる人脈を使い解決しています。今回は、社長自らが若い女性のために話しを聞き今後の生活も含めて相談解決となりました。

 

その後、彼女は無事に支払を終えて安定した生活をしているようです。不動産会社は敷居が高い、ガメツイなどと思われることもありますが全てがそうではありません。時には、人生相談も受けております。良かったら相談してください。無料です!

 

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