賃貸専門の不動産会社に勤務する40代男性です。実は自社の管理するアパートで小型犬「チワワ」を飼っていたことがあります。もちろん契約書にもペット飼育可能という物件でしたが、それでも敷金精算の費用面で苦労することがあります。
最近猫や犬のペット飼育可能な賃貸物件が増えてきましたが、実際のところどうなのでしょうか?一番気になる費用面に的を絞って紹介致します。
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ペット可能なアパートの敷金と毎月の家賃はいくら?
通常の賃貸物件と比較してペット飼育可能の物件は、まず敷金が変わってくることが多い様に感じます。通常敷金が1ヵ月分とすれば、ペット飼育可能の場合プラスでもう1ヵ月分とか2ヵ月分、合計で2ヵ月や3ヵ月となるケースが多いようです。
そして敷引きの設定がなされているものが多く、表記として「敷金1ヵ月+ペット敷金2ヵ月、敷引き2ヵ月」といった感じの表記が多く見られます。これは合計で3ヵ月分預けた敷金のうち、2ヵ月分は何があっても返しません、という内容のものです。
また敷金はもちろんですが、中には毎月の家賃まで高くなるケースがあります。通常家賃にプラス3,000~5,000円位が多いようです。ペットを飼育される方は十分注意して資料を見ましょう。
一番の問題!原状回復費用はどうなるの?
さて、入居時にあれだけ苦労して探したペット飼育可能物件ですが、退去時にも気を抜けません。
それは原状回復費用が待っているからです。入居時にペット敷金を預け、それが敷引きの設定になっていてかつ、その予算内に原状回復費用が納まっていれば問題は無いのですが、ペットの躾が出来ていなくて、あちこちに爪痕や噛み痕、臭い等が残っていたら大変です。
敷金の金額を超えてくることもざらにあります。つい最近のケースですが、築2年、約45㎡の1LDK(家賃50,000円、共益費3,000円) の部屋に20代の女性が単身で入居しており、その方が「ミニチュアダックスフント」を飼育されていました。
入居時に敷金1ヵ月+ペット敷金1ヵ月(敷引き)、合計10万円を預入れをしていたのですが、約1年住んで退去するとのことで現地に点検立会でいくととんでもないことになってしまったのです。
敷金が足りない!入居者の責任である原状回復費用とはいくら?
原状回復費用の状況ですが、
①リビングのフローリングにペットのおしっこが染込んでおり、染みと臭いが取れずLDKフローリング全面張替
②クロス・壁の下地(石膏ボード)があちこち齧られておりこちらもLDKの壁下地補修含め、クロス全面張替
③同様にLDKに通じるドアが2枚齧られており2枚とも取替
という結果になりました。
そして金額は約380,000円!敷金の10万円を充当しても足りません。
残金約28万円は即刻追加でいただきました。
まとめ 悪いのは誰?
決してペットが悪い訳ではありません。「全ての責任は飼い主」にあるのです。
この入居者は入居の直前に、生後2ヵ月のミニチュアダックスフントを飼い始めたのですが、自分も仕事があり朝8時から夜7時くらいまでは自宅にいないのです。誰かがペットの躾をする訳でも、ましてや遊び相手になってあげる訳でもありません。
ペットはしたいままにその辺でおしっこをし、当然ストレスが溜まるので、あちこちかじりりまくったという訳です。仕方ないですよね…ペットは人間の子供と一緒です。「躾が出来ない」「相手ができない」、こんなんであれば仮に賃貸でなくてもペットを飼う資格はありません。ペットを飼われる方は、しっかりと考えてから飼うようにしてください。
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